「税務署は怖い」と言われることがあります。そのようには感じる人の理由はいろいろな場合があると思います。
例えば・・・・
・本当は申告が必要な所得があるにもかかわらず、申告していない。
・売上や必要経費に関する記録を残しておらず、毎年の申告をいい加減な数字で作成して提出している。
・故意に売上を少なくしたり、必要経費を多くして納める税金を少なくしている。
・過去に税務署に確定申告のために行った際、応対した職員が横柄な態度で、全然話を聞いてくれないで申告させられた。
などの事情がある人が、税務署の調査など受けて税金を追加徴収されたなどの経験があれば税務署は怖いと感じるでしょう。
私は、税務署に37年間勤めていました。勤めはじめた30年以上昔の頃は、確かに税務署の職員にも変な人や横柄な人もいましたし、先輩から「税務署が納税者から恐れられなかったら正しい申告をしてもらえない」などと聞かされたこともありました。また、所得税の確定申告相談は、資料や過去の申告事績を参考にしながら1対1で面接して申告書を作成していました。そのため、年に1回しか税務署に行かないような人にとっては、税務署はできれば近づきたくない存在だったのでしょう。
しかし、時代も変わり、税務署でも接遇態度の研修を頻繁に実施したり、申告相談も自主申告制度の立場から申告書は納税者の皆さんに自分自身で所得金額と納税額を計算して申告書を作成してもらってます。また、税務調査においても、税法によって調査手続が明確化され、調査内容の明確な説明も義務付けられたことによって強引な調査は行われなくなりました。
税務署が厳しい態度で対応するのは故意に税金を少なく申告している人や申告が必要な所得があるにもかかわらず申告していないような人だけであり、正しく申告している人や申告が間違っていたとしても正当な理由がある人は決して怖がる必要はないと思っています。
でも、そんなこと言っても税務署から突然の連絡が来ると心配になりますよね。そんな時には、税理士に相談するのが良いと思います。その際に注意してもらいたいのは、世間には税理士のように見せかけた人、力になります風な甘い謳い文句で誘ってくる団体がありますが、そのような人や団体には決して相談しないということです。税務調査に立ち会ったり、申告書の作成などを代行できるは税理士会所属の税理士だけです。